セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



或傷ノ話③

※注意 
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰っ
たほうがいいです。


「ったく…何で殺さなかったの?」

朦朧とする意識の中そう聞こえた

「だって、俺…」
「言い訳なんていらない、お前が殺していれば面倒な事にならなかったのに」

だ・れ・?

ぼやける視界に目をやると、言い合う二人

そう…

この二人…知っている


出会いは突然だった
彼にさっき、今さっきふられて…不幸のどん底だった私に冷たい雨が追い討ちをかけた
私は愛した、心から
けれど彼は答えてくれなかった

涙と雨が一緒になって、どれが私の頬をつたう涙か分からなかった
だけど、涙も雨の様に流れた
私は一人ぼっちなんだ…

そんな私に傘を差してくれた人がいた、それが彼だ

もうどうなってもいいと思って傘なんて差していなかった
彼が私を闇から救い出してくれる救世主に見えた…

彼は微笑んだ。

貴方の為なら何でも出来ると分かった
貴方の為なら何でもするって決めた
貴方の為なら…

彼が笑みを含めてこう言った

「君は僕の為に何処までできる?」
「私は貴方の為なら何だってするわ」
「本当かい?」
「えぇ、本当に…」
「じゃぁ…」

彼は私と約束をした、私が彼の望みを叶えたら彼が私の望み…結婚をしてくれると言ってくれた。


嗚呼、俺の愛した人は俺以外の男を愛している
だけど、それでも俺は彼女を愛している
この気持ちは…この思いは…彼女へ届かないだろう…
それでも、彼女の為なら何だってできる…

たとえ、他の女を愛せと言われても…


「早くしないと最終が出ちゃうわ」
「分かってる、だけど人間ってのは重いな」

最終…
小石がぶつかる音がするジャリジャリと…

此処は何処?

だんだん意識がはっきりしてきた
それに痛みも感じる
私の腹からどろどろとした物が流れて熱い…
体の中から熱を感じた
体の熱も熱かった、けど、それより胸が熱かった

ねぇ…

出せない声が…切ない…
貴方に聞きたい…


私を愛していたかって…


「なぁ、これからどうするんだ?」

声が遠くなった

「これも愛する人の為なのよ…」

煙草の煙

「俺は…どうすれば…」

戸惑いの声

「…あんたは私の為に何処まで出来る?」

「何でも…」


色々頭の中を整理してみた
動かない体はまるで人形の様だった。
まず、体が動いていた時の事までは覚えている
健史と一緒にいた
健史に何時もの様に剃刀で切られた
でも、今日は違かった
明らかに態度が違かった

まるで初めて何かを殺すかの様な恐怖と好奇心

貴方は愛する人の為に何でも出来るのね
私も愛する人の為なら何だって出来るわ

意識が途切れる瞬間、健史は言った

“ごめん”って

大丈夫貴方の為なら死ねるから、殺されるから、私は喜んでこの世から消えるから…

ねぇ、私を少しでも愛していた?


最終電車が、電車の明かりが見えた
これで、アイツともお別れだ
考えてみたらアイツとは三ヶ月弱付き合っていた
アイツが初めて一番長く付き合ってくれた、付き合ってやった女だ
アイツは俺の異常さも全て受け止めて愛してくれていた
俺は、アイツの事を愛していたわけじゃない
俺は…
俺は…
どうすれば良かったんだ?

俺を愛した女を愛せず、俺を物として扱う宙ぶらりんな女を愛した

それで良いのか?

本当に良いのか?


+続く+

どうやら文字数が多いらしく投稿不可能なので途中でブッタギリ



7月19日(火)18:53 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

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