セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



或傷ノ話④

※注意 
奇妙な人が書いた小説です
不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰っ
たほうがいいです。



さっきから健史は黙りこくっている、まぁ、この女との最後のお別れだしね…
嗚呼、これでやっと彼も私を心から愛して両思いになる…
これで良いのよ
彼が私の物になるんだもの…
永遠に…
私だけの物に…

健史は後々邪魔になるし死んでもらうしかない…

昔は、健史が一番好きだったのよ
でもそれは本当の愛じゃない、別の感情だ
今はアンタ以外に本当に愛する人ができたのよ
その人の為だったら…大切なアンタも使ってやる

どんな事をしたって、この愛は失いたくない…


健史…健史…健史…
声が出るのなら枯れるまで貴方の名を叫びたい
息が、空気が抜ける感じがした

死ぬのは怖くない
だけど、貴方を失うのだけは…


地響きがして体が揺れた

何かが来る…すぐ近くまで…


俺は本当にこのままで良いのか?

「いよいよね」

俺は…

「ふふ、これで本当の愛を手に入れられる…」

俺にとっての本当の愛は…

健史…私の事アイシテル?


突然健史が飛び出した

「健史!何してるの!!危ないわ!!」

「俺は、千佳を助ける!」

「無理よ!もう手遅れだわ!!それに健史っアンタも死んじゃう!」

私を見ていた健史が一瞬笑っていたように見えた
そして近づく電車を尻目に飛び込んだ
私は内心ほっとしていた、何しろ私の手ではなく、自分で死にに行ったのだから…


もう、駄目かもしれない…
意識がいよいよ無くなってきた、私は、健史に愛される事なく死んでしまうのね…

「千佳っ、千佳っ!」

嗚呼、健史の声まで聞こえてきた
いよいよね
最後が貴方なんて、神様も粋な事をしてくれる…

重たい目蓋が自力で何かを見ようとする

コノ世ハ汚イノヨ、モウ充分ジャナイ

心の中がそう呟いた

誰かが私を抱きかかえた感覚がした

誰?

私を抱いてくれるのは…

目蓋がついに開いた


健史…?


健史が、健史が私を抱きかかえてくれている…
これはきっと夢
でも素敵な幻

健史…


健史が微笑んだ

まるで光が私達を包むような明るさで目を閉じた


「千佳、アイシテル」

それは片言だったけどはっきりと聞こえた


私も…健史を愛してる



「ねぇ、約束は守ってくれるんでしょう?」
私は何時もの様にきつい煙草を銜え呟いた

「嗚呼、守るとも」

貴方は微笑んで私を迎えてくれた

「嬉しい…」


幸せは不幸な時間より遥かに少ない
そんな小さな幸せを糧に私は、何でもする

彼だって…



+続く+

今日は2編も更新したよ!偉いでしょ?



7月19日(火)18:55 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

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