セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



生と死と…(前編)

※注意 
読んでいい気分には決してならない小説モドキです、それでもよろしければどうぞお読みください。


雑音は聞きたくなくても耳に入る。
喋っている本人たちは気付かない雑音。
それは頭の中でこだまし永遠に近く響く…


リスロンS

何かが引っかって死に踏み込めない私は多く飲み込めない。
ただ少しぼうっとして死ねないのだ。


別にいじめられている訳でもない、友達もいるし親だって良い人…お兄ちゃんは私に優しいし…
ただ…この世界が嫌いなだけ、否、自分自身が嫌いなだけ。

どうしようもなく不安になる。

この世界に自分は存在してはいけないんじゃないかって…

みんなが私の事が嫌いなのに自分に合わせて優しくしてくれているんじゃないかって…

自分はいらないんじゃないかって…


私が何故、クスリで死のうかと思ったのかというと祖父の首吊り自殺からだ。
父親と縁を切っていた一人暮らしの祖父は祖母の死後、後を追うように首を吊った。
その遺体は目を背けたくなるようだった…
私はその時思った、自分の死だけはみんなに迷惑をかけないようにって。


「なぁ、可南子」
「なぁに?」
お兄ちゃんは本当に私にあまい、そして私はお兄ちゃんが大好きだった。

「嫌な事があったら僕に言うんだぞ?」

嫌なのは私自身なのよ…

「うん。」

お兄ちゃんだけが私がクスリを飲んでいることを知っていたから、たまにお兄ちゃんは私に聞くのだ。

人差し指の皮を噛む…
それは私の癖で、何か言いたい時にしてしまう。

ねぇ、私はどうしたらいいの…?


アタラックスP

眠りたい
眠り続けて目覚めなければ良い…

私は眠る前にいろいろ考えすぎて眠れなくなる性質で普通より少し多めにアタラックスPを服用。

眠っているときだけが私が心から休める時だった…
目覚めると現実が待ち構えている…

私が生きている限り、ずっと、待ち構えている…

怖いの。自分自身が。


「良かったわねぇ~」
お母さんはにこにこしながらご馳走をテーブルに運んだ。
「ありがとう。」

「まさか、あんな有名な大学に合格するとは…流石お父さんの子供だ。よく頑張ったな、おめでとう。」
「ありがとう。」

今日の食卓は私以外のみんなが喜んでいた。

お兄ちゃんは某有名大学に合格してしまった…
この家から出て行き寮で暮らす。
お兄ちゃんは私を置いて行ってしまう…

頭が良くてかっこいい私のお兄ちゃん…

私と正反対のお兄ちゃん…

私を置いて行かないで…

お願い…


「可南子は喜んでくれないの?」
突然、お兄ちゃんが私に聞いてきた。
お母さんもお父さんもお兄ちゃんもにこにこして…
この明るい食卓に、どんなに私が似合わないことか…

「嬉しいけど…」
「けど?」

そんなににこにこして…

「お兄ちゃんは、この家を出て行くんでしょう?」

「本当に可南子はお兄ちゃんっ子なんだから。」
「そうだ、可南子もどうだ?今日は少し位お酒飲んでも。みんなでお祝いしよう。」

お酒…

「そうね、おめでとう、お兄ちゃん。お酒は寝る前に飲んで良い?ぐっすり眠れそう。」
「そうか。」


お兄ちゃんは私の全てだった…
そのお兄ちゃんが私から去っていくんだ…
今、私の死ぬ時なんだと思った。

クスリで自殺を計る時は同時にアルコールを飲むと溶解速度を速め、効果が上がる。
お年玉で毎月、少しずついろんな店から買っていたクスリで充分死ねる。

今から実行に移せば見つかるには9時間ある…

不思議なほど簡単にクスリは胃の中に納まった。



さよなら、みんな

さよなら、お兄ちゃん…


――――――――――――――――――――――――――――――――――――
すぐに続きをUPするつもり…



12月3日(日)00:19 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

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