セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



イルカは死のかおり

※注意
読んでいい気分には決してならない小説モドキです、それでもよろしければどうぞお読みください。


この、“死”をかおりにしたような臭いは何処から流れてくるのだろう…

胸くそ悪くなり吐気もする

僕は海辺をただ、歩いていた。行く当ては無い。
恋人が死んで僕は死に場所を探しているだけなのだから…
僕も死んだらこんなにおいがするのだろうか?

においが強い方へと足が向かう。

「やぁ、お兄さんもこのかおりにつられて来たんだね!?」
手拭いを頭に巻いた見るからに人の良さそうな老人が言った。
「否、ただ強烈なにおいがしたもので」
僕は微笑んでみた

「これはこれは、お若いのによく。」
意味しんに老人は言う。
「なに、イルカを煮ていたのだよ。」

「イルカ!?イルカを食うんですか?!」
何て野蛮なんだ…。僕は声には出さなかったがそれしか思わなかった。

「食ってみるかい?」
老人は静かに異様な臭いを放つイルカの肉を僕の前に向けた。

「いや…」
僕は、その臭いにめまいがした。
「美味しいから…嘘だと思って食べてみなさい。」
ゆっくり手を差し出すと老人は、その掌にイルカの肉を乗せた。

恐る恐る口の中に運ぶと口いっぱいに“死”のかおりが広がり僕の鼻から抜けていき、身体中に広がり、それが又数えきれない程の毛穴から抜けていくようだった。





「まったく…これだからイルカは嫌なんだよ。」
鍋を持ちながら老人は海から離れて行く。
その後ろから何人かの透けている人々がぞわぞわと付いてくる。
「イルカは本当に美味いから癖になるけど、こんなんじゃぁたまにしか食えないね。」
ブツブツと長靴を鳴らしながら老人は家路に向かう…


ザザン…ザザン…


波が静かに追い掛け
老人は鍋に蓋をした。

「イルカは“死”のかおりがするから集まるのさ。」

ザザン…ザザン…

波は静かに追い掛ける。


おわり
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
PCが壊れている間暇だったのでケータイで書いてた話。
イルカ…においもくさいし食べられません…
あのにおいを嗅いでいると何か変なものが寄ってくる気がします(´∀`)



12月6日(水)20:10 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

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