セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



2005年10月27日を表示

歪んだ愛の果て 5

※注意 
奇妙な人が書いた小説です
不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰ったほうがいいです。


紗枝は泣いて泣いて…それでもしばらくすると泣き止んで
涙と鼻水を垂らしたまま俺のほうを向いた。

「どうしたんだ?」
俺が優しく聞くと紗枝は、しばらく躊躇いこう言った。
「稜輔さん…の、彼女さんが…」

「え?」
俺は苦笑した、俺の今の居場所なんて知っているはずがない結衣が…結衣を…紗枝が知っているはずが無いのだ。

「彼女さんが…」

「え?」

「稜輔さんを尋ねて…きました」

「は?」
紗枝が嘘をつくことは二だろう。
だけど、何故?

俺は紗枝を置いてバイト先の寮へ向かった。

皆仕事中とあって辺りは静まり返っていた…
静かに自分の部屋のドアを開ける…

キキキキキ…

何ら何時もと変わりない。


しかし、テーブルの上には、何か…皿と…置手紙…
俺が恐る恐る覗いてみると
結衣がよく俺のために作ってくれたチキン料理と…

俺は部屋中を見回った。


恐ろしい女だ…恐ろしい女…

俺の歯ブラシとコップの隣には結衣が使っていた歯ブラシにコップ…
茶碗に箸……
洋服箪笥には結衣の洋服に下着…

俺はソレをゴミ箱に投げ込んだ。

ソレはゴミ箱に入らないほど多く
ソレは思い通りに捨てられない

また、吐き気が俺を襲った…

結衣は…一体何者なんだ?俺に何の恨みがある?


置手紙にはこう書かれていた
“稜くんに会えなくて寂しかったよ。悲しかったよ。
 だけど、これからは、ずっと一緒にいられるね  ”


ドアが開く音がした、俺は寒気を感じた…

キキキキキ…

「稜輔さん?」

なるべく後ろを向かないようにしたが、紗枝の声だった

「・・・・・・」
「どうしたの!?稜輔さん!」
紗枝が俺の後まで来た。

周りの状況からは“俺が狂った(発狂)した”としか分からないだろう…
紗枝は優しく俺の肩を掴んだ

俺が泣いているのに気づいたんだろう…

「良いの、大丈夫、ゆっくり話して」
年下の紗枝に俺は情けなく抱きついて泣いた

俺は泣きながら、ゆっくり、確実に、過去とも、最近とも、の結衣の話をした…

紗枝はしばらく黙ったまま唯、頷いた。


「大丈夫だよ、私は、稜輔さんの見方だから」


その言葉を、俺は、どれだけ望んでいたが…
その一言で、俺は、何かにときはなれた…

紗枝は黙って俺を抱きしめた…

「ごめん…」



キキキキキ…

音がした方を見ると、そこには結衣がいた
結衣の右手にはスーパーの袋が握られていた

俺が震えているのか分かったのか紗枝はより強く俺を抱きしめた…

「あら、お客さんがいたの?ここからスーパーって遠いのね」
結衣は何も無かったかのように微笑んだ。


すると紗枝が震えた声で結衣に言った…

「もう…いい加減にしてよ…どれだけ稜輔さんが困って、悲しんでいるか分からないの?」

「え?」

「分からないの!?稜輔さんの気持ちが!」

なんという光景だろう…
昔愛した女と…今愛している女…

「ふふ、ふふふ…」
結衣が突然笑いはじめた。

「何よ!?」
紗枝が負けじと声を張り上げた…


「貴方には、分からないでしょうが…私がどれだけ稜輔を愛しているか分かる?」
結衣がこちらを振り向いた
「私だって!稜輔さんを愛しているわ!」
紗枝は唇を噛んだ

「死ぬほどね、愛しているの」


それだけ、それだけ聞くと俺は裸足のまま走り出した…

結衣のあまりの恐ろしさを改めて、そして初めて知ったのだ…

俺がいくら逃げても結衣は、どこまでも俺を追いかけてくるだろう…

走って…走って…どこまでも走って…結衣が俺を追っていけない所まで走ろう…

だけど、俺に安住の地はあるのだろうか…?

外国…?

いいや、結衣は外国までも付いてくるだろう…

だったら、俺には、居場所なんて無いのだ…


俺の後ろから結衣が追ってくる…

「待って!待って!」

結衣も裸足のまま美しい髪を振り乱し、顔を歪め追ってきた…

俺は走れるところまで走るつもりだ…

もう、前も見たくない…
俺に居場所なんて初めから無かったんだ…
だったら、こんな所にいる意味も無いだろう…

俺は車が走る道路へ向かった


俺の死を、結衣の目の前で見せ付けたら…
それは、戒めにもなり…
俺はこの世から消えて結衣も付いて来れな所へ行くのだ…
それが、俺だけの安楽の地…


車は何時も通り走る

色々思い出した、小学生の時、好きだった子のリコーダーで放課後吹いてみたり…中学の時、三つも女の子からチョコレート貰ったり…あん時は何でも楽しく思えて…あん時は馬鹿だったなぁ~とか…
人は、死ぬ間際に立たされると過去を思い出すと言うが…
こうもはっきり思い出すとは思わなかった。

まさか…一人の女のせいで、こうも人生が変わるとは思わなかった…


さぁ…見るがいいさ、結衣。

俺は今から、お前の目の前で死んでやる…

そしたらお前も俺を追いかけてなんか来れないだろうよ…


結衣。さようなら。


力の限り走った、きっと俺は死ぬだろう…


+続く+


嗚呼、久しぶりに書いたが…
微妙なとこでまたまた終わってしまいましたよ…
続き書こう~



10月27日(木)21:06 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理


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