セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



2006年5月4日を表示

独身、34歳(一応小説

※注意 
読んでいい気分には決してならない小説モドキです、それでもよろしければどうぞお読みください。


死んだ父親の墓にも行ってない
母親にもしばらく会っていない

仕事に情熱を持ったことも無い
女の子とも話さない
男ともそんなに話さない

このままじゃ俺の人生真っ暗だ


毎日汗まみれ、満員電車に乗ると死にたくなる
近くに女の子がいるともっと死にたくなる
自分が汗臭くないかって、息が臭くないかとか、鼻で息をしてみる…
そんな地獄の電車を降りるとコンビニで毎日同じスパゲッティを買うのが俺の一番好きな時、本当は食うときが一番好きなんだけど…
今日はたまたま売り切れで、ますます死にたくなった。

家に帰ると俺の部屋のにおいが充満して窓を開け
留守電のチェックする
しかし留守電に伝言があるわけじゃない。
今日の夕飯はおにぎり二つ
このパッケージだと上手く海苔が取れなくて、結局面倒くさいのでおにぎりだけ先に食べて海苔を後で食う。

食った気がしない…


俺の密かな楽しみといえば、女の子のお人形を愛でる事…
女の子の夢、リコちゃんだ
こんな、むさいオッサンが可愛い可愛いリコちゃん人形を持って眺めていることを考えると自分でも気持ち悪い…

でも、いつの頃からだろうか…その愛らしい顔、長い髪、決してグラマーとは言えない体、どんな服でも着こなせる永遠の少女を愛してしまった
たまたま通りかかった玩具屋で見つけたリコちゃん人形に俺は魅了された…
玩具屋の中は不思議な音楽が流れ、キラキラとそこら中が輝いていた。
夜ということか子供はいなく、カップルや俺と同じくらいかそれ以上の男が数人…
リコちゃん人形のコーナーは店の奥にあった…
大きく分けて顔、髪、服が違うリコちゃんたちが大量に並べられていた
それに触る勇気が無かった、俺みたいな奴がリコちゃんに触れちゃいけないと思ったからだ
しばらくじっとリコちゃんを眺めていると若い店員の女の子が話しかけてきた

「娘さんにプレゼントですか?」
その黒髪の似合う女の子の胸には“香奈”と書いてある名札が付いていた
「…ええ」
俺はとっさに答えた
「何歳くらいの女の子ですか?」
「6歳です」
もうどうでも良くなった、結局、この店員が俺の事を知ることも無いのだから
「可愛いでしょうね娘さん…リコちゃんなら、最近これなんかが売れてますよ」
香奈さんは色々取り出して見せた
「ああ、可愛いですね、そうだな…黒髪のリコちゃんが良いなぁ」
と言うと香奈さんは少し戸惑って奥から黒髪のリコちゃんを見せて微笑んだ

その時はそのリコちゃん人形を買った、プレゼントという嘘で包んでもらって悪く思った。
俺は、そのリコちゃん人形に“香奈”という名前をつけて部屋に飾った…

それから何度か店に通ってリコちゃん人形を香奈さんと選んで買った
しかし、ある日突然香奈さんは店を辞めてしまった…それから店には行ってないし、女の子とも話していない。


綺麗に並べられたリコちゃん達…
彼女達がいるから俺はやっていけるのだと思う…


それにしてもお腹が空いた…



休日、誰と会う予定もなく家でテレビを見るしかない俺はカップラーメンを食べていた…

チャイムが鳴る

ドアを開けると目の前に香奈さんがいた

「香奈さん…?」

「あ、お客さん…?」

「あの…」

「一人暮らし…?」

「あの…」

「私…隣に越してきたんです、よろしくお願いします」
そう言い残すと彼女は去っていった


目が覚めて、夢だと安堵すると、その瞬間本当にチャイムが鳴った

「はいっ」



俺は、きっと、ずっと、このままでいるんだろう


おわり
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リコちゃん人形…かなり無理やりの設定ですたが…お許しあれ
リコちゃんという理想の女の子、香奈という女性を重ね合わせ愛でるのが彼の幸せ
玩具屋さんで働くと、たまに男の人がリ●ちゃん人形を買うのを見ます、子供の為にって人もいるでしょうが趣味でとかいそうです。
そんな男の人たちを見てて勝手に妄想膨らめたのがこの小説



5月4日(木)22:13 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理


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