セキララ絵日記
 
まるで駄目なグラフィックデザイナー見習い日記。
 



小説モルグ
~説明~
管理人の人を不快にさせる世界へ…

或傷ノ話②

※注意 
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰っ
たほうがいいです。



それでも人は生きる
自分自身に楽しみがなくても…
あれから私は代わり無い毎日を過ごした
私はタバコの煙の様に人に見えなくても、何処か遠くへ飛んでいける存在になりたかった

父の可笑しな行動を見てから一ヶ月経った

私は変わらず健史と狂った恋愛を、それだけの為に生き
父は新しい恋人とまだ続いているらしい
だって、たまに実家に帰ると行く度にその女性の物が増えているのだ

でも、父は妻を亡くし、一人になった
別に他の女が出来たっておかしくない

しかし、父の新しい恋人はどうやら
私と年がそんなに違くないらしい
恐ろしい感じもするが、父は五十前でも充分いける
人は生きるために恋をしているのだ…


今日もまた健史と一緒にいる
健史はわざわざ新しい剃刀を毎回買ってきて切りつける
一回使った剃刀は使わないのだ
その行為(剃刀)は健史からしたら崇拝物なのだ

ある事に気付いた
健史は腹付近以外には決して傷を付けないのだ
それも彼の趣味なのだと勝手に決め付けていた

「健史…私の事アイシテル?」
「嗚呼」

そんなクダラナイ事を聞いたって、健史の反応は目に見えているのに…
人は、実にクダラナイ…

健史は崇拝的行為以外の時は煙草を吸う
まるで、私など最初から居なかったかの様に…

「健史は、何でそんなに煙草が好きなの?」

「ある人に憧れて」
「誰?女?」

「…そんなんじゃねぇよ」
「私より大切な人?」

健史は都合が悪くなるとすぐに黙ってしまう
それでも彼が好きだ、愛している


嗚呼、つまらない…
いやらしい目つきで見てくる上司
文字ばかりの進化の象徴の箱
何で私は、こんな所にいるのだろう…
早く、早く、健史に会いたい…

今や私は健史無しでは生きていけない、中毒になっていた…

お昼休み馬宮さんと一緒に近くのレストランへ行った
馬宮さんは相変わらず喋り続ける…

「私の両親は私が中学生の時に離婚してね…それから兄弟離れ離れ、私が結婚して、もし離婚しても絶対子供達は離れ離れにしない…だって、あんな思いさせたくないもの…」

馬宮さんはよっぽど苦労したらしく熱論した
私には分らなかった、両親に愛され、一人っ子で何も不自由しなかった

「私ね、今、彼がいるの…その彼と結婚したいわ…愛しているの…今までに無いほどにね…彼と結婚できるのなら何だってする」

馬宮さんは結婚願望が強いらしく何度も結婚という言葉を口にした。

「馬宮さんは、その彼を本当に愛しているのね」

「えぇ、勿論」

「私も馬宮さんのお陰で素敵な彼を見つけられたわ」

「健史の事ね、良かったわ、お幸せにね」

「ありがとう、馬宮さんもね」

私達は話している間に来たカレーを食べ始めた。



その日の夜、健史が突然こう呟いた

「もし俺が、深く切りつけてお前を殺したらどうする?」

あまりに唐突に聞いてきたので少し戸惑ってしまったけど、もう答えは出ている

「貴方に殺されるのなら本望よ」

たとえ、健史が誤って私を殺してしまったとしても
それで良い
私は、このくだらない人生より、健史の刹那の快感の方が大切だから…


ドウゾワタシヲコロシナサイナ…


今夜の健史は何だかいつもと違っていた
明らかに動揺している様に見えた
手が震えている…

どうしたの?

いつもの貴方じゃ無い
あの満足そうな微笑のために私は生きているのよ?

震えた手で剃刀を持ち私の腹を切り…

切り…

き…





煙草のにおいがする…

この煙草は…

健史の煙草じゃない…

この煙草は…


馬宮さんと同じ煙草のにおい…





+続く+

Doなるのかな~ぁ?
何か、今更ながら狂っているのコイツ等。

今、トゥ―・ブラザ―ズ見てます
私的にあの調教師共を殺してほしい…



7月16日(土)23:11 | トラックバック(0) | コメント(2) | 小説モルグ | 管理

或傷ノ話①

※注意 
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰っ
たほうがいいです。



「佐崎さん最近元気無いじゃない」
同僚の馬宮さんは煙草を銜えながら呟いた
煙は遠く、何処へ飛んでいくのだろうか…
消えても私達には見えないだけで、きっと何処かへ飛んでいくのだ…

「佐崎さん聞いてる?」

「え、えぇ」

最近、私は集中力にかけている
何故って…始終彼の事を考えているからだ

「いつもの佐崎さんは明るくてぇ、ほら…」

馬宮さんは私が話を聞いていない事に全く気付いていない
そんなに私はいつもぼうっとしているのかしら

母さんが死んで一ヶ月ちょっと経った
長年続いた病魔と闘い呆気なく死んだ
まだ五十ちょっとで若くして死んだ
父さんは…あまり変わりなく生活している
それどころか、この前家に行った時新しい恋人ができたと呟いていた

愛って儚い物ね

最近毎日がつまらなく思えて仕方が無い
仕事も、友達付き合いも…

「痛っ」

行き成り、横腹の痛みが振り返った

「なに?どうしたの?」

「ううん、なんでもないわ」

「そう」

彼に切られた傷だ
彼は私を傷つける事を楽しんでいる
彼はきっとサディストなのだ


「ねぇ…健史(たけし)は私のことどう思っているの?」

健史は気にせず私の腹に剃刀をあてていた

「…何を今更…」
と呟くと剃刀で腹を切った
血は水滴のようにポツポツと出てきて、それを健史は満足気に眺めていた
私はしつこく問ただした

「ねぇ、私をどう思っているの?」

「…しつこいなぁ…好きだよ」

そう言うと機嫌を損ねたらしく向こうを向いてしまった

健史と付き合って二週間、出会いは同僚の馬宮さんの紹介だ
健史を見た瞬間ピンときた
そして皮肉にも健史の“癖”をしったのははじめての時だった
「ここ切っていい?」
と聞いて私の横腹に剃刀で切りつけた
最初は異常だと思ったけど、それでも愛おしく思えた

それも母の遺伝子

愛する者の為に自分を犠牲にする
母と父との関係もそうだった
しかし、一方の父は尋常ではなかった
母が留守の間、私を自分の部屋に呼び
私の足を撫で回し、こう呟いた

「千佳(ちか)もお母さんに似てきっと、美しい足になるはずだ…」

と言った

しかし、父は、その時以外は実に良い父親で
そっと、その出来事は心の中にしまっておいた。


母が亡くなってから父も色々苦労しているだろうと思い週2、3回は実家に行き、食事のしたくなどをする
今日もその日だ

「お父さ―ん、いる?」

返事が無いので勝手に入り、早速台所へ向かった
鍋が無いのでそこら中探すとテーブルの上に無造作に置いてあった
それを手に取ると重みを感じた
中身を覗いてみると肉じゃがが入っていた
きっと、新しい恋人やらが作ったのだろう。
何だか腹立たしく思えたけど、私は大人!と言い聞かせ、他の鍋を探した

夕飯が出来上がり、父が帰ってくるのを待つつもりでテレビを見はじめた
夕方と夜になる間の時間は、どれもくだらない番組ばかりで溜め息をついた
父は何処かに出掛けるにしても絶対、夕飯になる頃には帰ってくる男だ

それにしても遅すぎる…

すると二階から笑い声が聞こえた

父は初めから家にいたのだ
何だか馬鹿らしくなったけど二階に行き父を呼びに行った

「お父さ―ん?ごはんできたよ?」

父の部屋に近づくたびに笑い声が近くなる
何だか気味が悪かった。
そして、こう聞こえた

「はははは、美奈、このまま行けば全て僕の考えていた通り上手くいくよ」

美奈…お母さん?

ついに可笑しくなってしまったのだろうか?
父は死んだはずの妻に話しかけるように呟いていた
私が足音たてずに父の部屋の前に立っていると

「何だ、千佳来てたのか?」

と行き成り父が部屋から出てきたものだから
私はその場でしりもちをついた。

「夕飯できたよ」

と答えると父は微笑んだ
階段を下りる時の私の心臓の音は父に聞こえるかと思うくらいどきどきしていた

父は喜んで私の作った夕飯を食べた

それを見ると昔を思い出した


でも、この父の行動は恐ろしい結末のはじまりだった
全ては父の考えていた通りに進んでいた…




+続く+

これは“或足ノ物語”の続編
美奈の娘千佳が主人公の話です
私の書く小説は何処か狂っている話が多いので注意ですね(腐腐
“或足”より“或傷”の方がきっと、恐ろしい結末になるでしょう…
なにせ、運命は変えられないのだから…
このストーリーは私の考えた運命の中に存在する
彼女達の運命は私が決めているのですから…
何て、ちょっとゴッド気取り…(腐腐



7月16日(土)21:22 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

或足ノ物語③

※注意 今更ながら
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰ったほうがいいです。



彼女はこう言った

「“それ”を私に返してください」

事故だ…あれは事故だったんだ…

彼女は朦朧としながらこう言いました

「“あれ”は私に返ってくるのかしら?」



深夜1時頃、病院から電話が来た
「貴方の名前を呼んでいます」
僕は電話を切り笑みがこぼれた
彼女は僕に永遠の愛の形を…
僕は彼女の“あれ”さえ手に入れば他に何もいらなかった…
とりあえず、近くにあった服に着替えて病院へ向かった


「あんた、何て、何て、馬鹿な事をしたのよぉ!」

母は泣きながら私に言った
それでもいい、彼は私だけのものになるのだから
これで…あの人は、私の元へ帰ってくるはずだから
私は痛みよりも喜びが込み上げてきた

別に、私の命が惜しかったわけじゃない
あの人を失う事が怖かったのだ
こんなのたいした事ない…

病室のドアが開いた

「美奈!」

ほうら、彼は私の元に帰ってきた

「貴方は?」

今更ながら母は亮輔の事を知らなかった

「恋人です」

彼は即答した
そうよ、そうでなくちゃ…貴方のために私は大変な犠牲を払ったのだから…

「まぁ、でも、この子が…」
「えぇ、こんな所でなんですが…僕に美奈さんをください」

「?!っ、だって貴方…美奈は、こんな体に…」

「それでも僕は彼女を愛しています」

「お母さん、お願い」

私は近くにいた母の服を掴んだ

だって…私は両足を失ってまで彼が欲しいのよ



「ねぇ聞いたぁ?福田さん、電車で足切断したんだってェ!」
「えぇ?それマヂ~?えっ何で?」
「それで…さぁ…」


私が両足を切断したから、彼は毎日私の元へ訪れてくれる
そして、毎日愛の言葉を囁いてくれる
それ以外に私は何も要らないわ…
彼が私だけの傍にいてくれるのだから…
私の“あれ”は彼にあげた
だって、それが約束なんですもの
私は彼のために何でもする、彼を失いたくないから

たとえ両足を失ったとしても…



母が亡くなって数日後、こんな日記が見つかった
私は恐ろしくなってその場から逃げ出したくなった
私が生まれて最初から母には両足が無かった
別にたいして気にしなかった、仕方が無いのだから
でも…その“理由”なんて知らなかった

夜…一人で父が部屋に篭る事もあった
それは仕事なのだ…と思っていた
だけど、幼心に恐怖を感じていた
母がいない時父は私の足を…


どんな時代にもいろんなフェチシズムがある

たまたま父は足(脚)のフェチイズムだったのだ…


しかし、私には色濃く母の遺伝子が流れているらしい

愛されたい故に自分を犠牲にしている

私はベッドの上で愛した彼に剃刀で体を切られている…
嗚呼、でも、痛くても我慢する

アナタガワタシダケヲアイシテクレルノナラバ…

このまま、殺されたっていい、貴方の心の片隅に、ほんの片隅でいいの…
私が貴方の心の片隅に私が存在するのならば…
私が流す血は心の涙
貴方が私だけを…私だけを愛してくれるのならば…


彼の持つ剃刀が腹の肉に深い傷をつけた…



+終わり+

Doっすか?本人的には面白いんですが…
あ、でも、ちょっと気分悪くなってきたわ~

でも色んなフェチがあるんですよね~
コエェ…(´*`;)
好きな奴のために命まで捧げたくねぇ…
切り刻まれたらやり返す…(目には目をw
でも、フェチって皆あるんですよね~
それが度を超すと恐ろしい事に…
別にフェチが悪いなんていってませんよ!
私は眼鏡好きですから♪

感想いただけると嬉しいです。



7月15日(金)00:48 | トラックバック(0) | コメント(4) | 小説モルグ | 管理

或足ノ物語②

※注意
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰ったほうがいいです。



「福田さん?どうかしたの?」

「えっ…佐崎さん…」


その夜、福田 美奈は初めて父親意外の男性と食事をした
最初は下を向いてばかりいたが少しずつ慣れ話の途中途中彼の顔を見た

「こんな素敵な夜は初めて…夢見たい…」

「福田さん今まで誰とも付き合ったこと無かったの?」

「えぇ…それに、男性とこんな間近で話した事も初めてなの…」

「ふぅん…福田さんは綺麗なのにね…」

「・・・・・・・」


美奈は口が開いたまま塞がらなかった
ポカンと口を開けたまま虚ろで、さっきまでの余韻に浸っていた
言うまでも無いが夢のようだと彼女は思っていた

次の日から福田は変わった

今まで髪は一つ結びで前髪までも後ろにだらしなくさげていたが今は肩くらいに整い
黒縁眼鏡はコンタクトになった
会社の制服のスカートは膝下だったが膝上になり、彼女の美しい足を覗かせていた
勿論、女子社員たちは彼女の行き成りの豹変に驚いた

「見た~?福田さんの変わり様!」
「見た見た!!何なの?アイツ」
「男でこんなに変わるもんかしら?」
「でも、どっちにしろブスには変わりないけどね~」
「言えてる言えてる!」
女の喋り場女子トイレで馬鹿笑いしていた

驚いたのは女子社員達だけではなかった
男子社員も口にはしないが驚いていた

これは男の力…

今までは福田を馬鹿にしていた男も目つきが変わった
そいつがふざけて彼にこう聞いた

「お前、昨日何したわけ?スゲェ変わり様じゃん!」

しばらく口を閉じていた佐崎がこう言った

「あんな彼女好きじゃない」

「はぁ?お前大丈夫かよ~」

そんな事もつゆ知らず、愛する彼の褒め言葉を信じ浮かれていた
ところが、言われた言葉は

「そんな格好…僕の好きな福田さんじゃないよ…」

その次の日から彼女は元通りに戻った
馬鹿にしていた女子社員たちも実は危機感を感じていたのでホッとしていた

それから彼女と彼は会社全体の公認カップルになっていた
ある日突然彼女が呟いた

「佐崎さん…本当に私なんかでいいの?」

「何でだい?」

「私は、佐崎さんを愛しているけど…佐崎さんと私は…似合わない」

「そんな事は関係ないだろう?周りにどう思われようと、僕は、君を美しい君の…君を…愛しているのだから」

「佐崎さん…」
涙がぽろぽろと零れ落ちた
私は何て馬鹿な事を考えていたんだ…と思った

「そろそろ僕の事、亮輔って言ってくれよ“美奈”」

「・・・・亮輔・・・・」

しかし、それも長くは続かなかった…
愛はいつかは枯れ、深い悲しみが静かに襲い来る

「最近…冷たくない?」

それは突然の事だった
彼はしばらく黙りこくるとこう言った

「…君の事も愛していた、君は魅力的な女性だった、けど…君より魅力的な女性を見つけたんだ」

「何で?私はどうなるの?」
信じていたものが一瞬にして失うのが怖かった…
彼女は必死に、涙を流し訴えた
しかし、彼は…

「君が…僕に永遠の愛の形を僕にくれるのならば、僕は死ぬまで…君を愛し続けるよ…君の…」

「…今、何て?」


時はたち、昼間は五月蝿い犬も静かに眠る深夜
最終電車が発車した
運転手はいつもの様に職業病の独り言を呟いた

「今日はやけに静かだな…」

静寂が走るこの時間は運転手が一番眠い時間だったが最後の運転だったので自分をしっかりさせた

闇を照らすライトは“何か”を映し出した


「うわぁぁあああああ―――――!!!!!」

静寂を守り続けるこの時、運転手の悲鳴が響いていた。



+続く+



7月14日(木)15:11 | トラックバック(0) | コメント(0) | 小説モルグ | 管理

或足ノ物語①

※注意
奇妙な人が不快になるかも知れない小説モドキなので此処で気持ち悪くなったら帰ったほうがいいです。



世界一美しいもの…それは足だろう
すらりと長いわけではなく短いでもなく…
唯傷一つ無く白い足…
そんな足が僕のそばにあったら、それだけで良い
他に何を望むだろうか?

彼の名前は佐崎 亮輔(ささき りょうすけ)
中肉中背、顔は目鼻立ちが整い実に美しい顔
会社でも近所でも悪いうわさなど何一つ無い
彼に恋する女子社員たちは大勢いる
しかし、彼は女性に見向きもしない
別に同性愛者などでは無いが一部の女子社員はそう噂しているらしい。
しかし、彼は何一つ気にしていなかった
誰に何を言われようが彼はどうでも良かった
唯一人の女性を待ち続けているのだ…

彼は頭の回転が速く仕事も早い
そんな彼を遠くから見つめる女性の名は福田 美奈(ふくだ みな)彼女は佐崎と比べものにならないほど…
お世辞でも可愛いとは言えない女性だった
しかも暗いものだから友達もいない
しかし、彼女にもチャンスがやってきた
ほんの数秒の出来事、佐崎に書類を渡す事だ

その数秒のチャンスに彼女は胸を躍らせた
しかし、自分の様に顔の悪い女が佐崎に書類なんて渡したら嫌な顔をされそうだからそれも怖かった

チャンスの時が来た…
彼女は思い切って佐崎に書類を渡した
これだけで充分
男性と喋った事の無い彼女は傍に行けるだけで充分だった
彼女がその場から離れようとした時…
思いもよらぬ事がおきた

「福田さん?足、綺麗だね」

福田さん…私の名前覚えてくれていたんだ!
と思わず飛んで喜びそうになった
それに…足が綺麗だなんて…
男性に初めて言われた言葉に本当に嬉しかった

「え、そんな事ありませんよ」

嗚呼、何て事を言ってしまったんだ…
彼女はこの言葉で話が終わってしまうと思った
何て事を…

しかし、これでは終わらなかった

「ねぇ、今度どこか食事に行かない?行き成りごめんね」

「え、え?はい」

彼女も、周りの皆も驚いた
特に、食事に誘われた福田本人が一番驚いていた
驚くというよりも怒りしか生まれない女子社員達は福田を睨んだ

なんて事だろう…神様ありがとう!
いつもは重い足取りも軽く更衣室に向かった
嗚呼…夢では無いだろうか?
まるで今の私はお姫様の様…美しい顔の王子様…
初めてのデート…
不安もあったが、今の彼女はそれどころではなかった

ロッカーの傍に行くと例の女子社員たちがいた

「ちょっと―福田さん、チョーシのらないでよね?」
「え?」
「アンタさぁ~あたしらの王子様盗らないでくれる?」
「私…」
「アンタ、自分の顔解ってるの~?」
「え…」
「スゲェブスだし―佐崎さんとつり合わないって~アハハハ」
「・・・・・」

そうだ、私はブスで暗い…佐崎さんに似合わない…
女子社員たちはブツクサ言っていたが聞こえていなかった…

ワタシハブサイク…

溜め息をついたのは他でもない福田 美奈
佐崎にからかわれて言われたかも知れない…
天国から地獄に落ちるのは一瞬だった。

いつも重い足取りは更に重く、動くのも苦しかった
私は誰にも愛されないのだ…
溜め息一つ会社から出たら、そこは別の世界であって、別の、自分をあざ笑う生き物がウジャウジャいる…こんな世界…私は生きている意味があるのかしら?
美奈は何時も通り下を向いて歩き始めた

今日より明日はもっと辛い日々が始まるのだ…


「福田さん?」

「?」

彼女は誰かがふざけて自分を呼んだのかと思いしかめっ面で上を向いた



+続く+


まだ本当に気持ち悪くないですが…
いかがでしたでしょう?



7月12日(火)22:45 | トラックバック(0) | コメント(2) | 小説モルグ | 管理


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